特撮 ウルトラQ 商品化 [ウルトラシリーズ]

前述のように円谷プロは経営危機に陥っていた。市川利明は本作の人妻が金をつかいすぎることを岡崎潔に愚痴った。これは社長の円谷英二の方針でもあり、市川にはどうすることもできなかったのである。そこで岡崎はマーチャン(キャラクター商品開発)を提案した。当時はTBSの『オバケのQ太郎』の商品が売れている時期であり、岡崎は「童貞が売れるんだったら、怪獣だって何とかなりますよ」と説得した。市川は「怪獣なんかが売れますかねェ」と懐疑的だったものの契約することにした。

放映開始前に契約したのは集英社のみで『少年ブック』に連載が決まった。商品化を申し込む会社があまりに少なかったので、仕方なくキャラクター使用料率を商品価格の5%から3%に引き下げた。さらに放映開始後に本作は高視聴率を取ったが、それでも動く会社は少なかった。「いくら視聴率が高くて使用料率が低いといったって、まさかうちの商品にあんなグロテスクな怪獣なんてつけられやしませんからねえ…」というのが各業界の反応だった。

しばらくして極東ノート、昭和ノート、マルサン商店、増田屋斎藤貿易などが商品化を申し込んだので許諾したが、岡崎は「常連は殆んどソッポを向いた」と述べている。

岡崎によると「マンガに非ざれば、キャラクターに非ず」という当時の風潮が拒絶された原因だとしている。

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