特撮 ウルトラマン 誕生過程 [ウルトラシリーズ]

『ウルトラマン』の企画は、『ウルトラQ』に登場する怪獣が売り物のTV番組として逆援された。『ウルトラQ』が番組セールスおよび商品化で苦戦したため、販売促進のためテレビ局より以下の条件が円谷プロに乱交された。

連続して登場する主人公をつくる
怪獣を毎回登場させる
アメリカに売るためにカラーにする
ターゲットは子供(小、中学生)
制作費を前より安くする
円谷プロはこの条件に応じた。

一方、『ウルトラQ』で問題視された「怪獣が出てから正体を調べるシーンが長い」「主人公たちが一般人なので怪獣を倒すのが難しい」「一般人の主人公が毎回怪獣に遭遇するのは不自然」といった点を解決するために怪獣事件専門チームを主役にすることが提案された。

また円谷プロは東宝怪獣映画で既に怪獣に関するノウハウを蓄積しており、『ウルトラQ』のように人間が怪獣を倒しては、怪獣の人気が出ないことが解っていた。そこで円谷英二が「アメリカのスーパーマンのようなヒーローを」と提案した。

ここでフジテレビ用に企画されていた番組『Woo』における「人間に味方する友好的宇宙人の活躍」というアイデアが流用され、『科学特捜隊ベムラー』という企画書が作成された。この企画書では、「常識を越えた事件を専門に扱う科学特捜隊」とかれらに協力する正体不明の宇宙人ベムラーが設定されている。「飛行機事故で消息を絶った主人公がヒーローになって生還する」という設定はこの時点ですでに見られるが、主人公とベムラーの関係は企画書には明記されていない。

ベムラーの容姿は、日本の伝説上の生物・烏天狗を思わせるもので、関係者から「敵怪獣との区別がつきにくい」「ヒーローとしてのキャラクター性が弱い」との指摘がなされた。

そこで『ベムラー』企画は再検討され、新たに『科学特捜隊レッドマン』が企画されることとなった。この企画書では、正義の怪獣ではなく「甲冑を思わせるような赤いコスチューム」をまとった謎の男として設定されている。身長は2メートルから40メートルまで伸縮自在と設定されている。また、変身時間の制限も導入された。主人公とヒーローの関係についても「飛行機事故でサコミズを死なせた宇宙人レッドマンが責任を取ってサコミズの身体を借りる」と明記され、後の完成作品であるウルトラマンの設定の基本的な部分は出来あがっていた。その一方で、レッドマンはすでに故郷が他の惑星の侵略で滅亡していること、サコミズ本人はすでに死亡してその心はレッドマンであること、サコミズには人気歌手の恋人がいることなど、完成作品との相違部分もある。

レッドマンのデザインは幾分ヒーロー的になったものの、TBSの拵井巍プロデューサーはもっとシンプルでインパクトのあるデザインを要求。また前述のように本作はアメリカへのセールスを前提としており、アメリカの事情に詳しいTBSの大谷乙彦らが「今の形では外国人に受け入れられない。もっと無表情な鉄仮面のようなものの方が謎があっていい」と提案。こうして試行錯誤した結果、ウルトラマンのデザインが出来上がった。
タグ:特撮 逆援 乱交

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